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想い出を売る店 2011年8月の記述より

安曇野巡りの途中に気なる看板を見つけた。
「あづみのの食卓 アンティーク食器」

通りから林の中に入ってゆく道は細くて我が家のラパンが通るのがやっとの様に思える。
本当にこんな奥にお店があるのだろうか・・・・



林を抜けた場所にそのお店はあった。
「あづみのの食卓」


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(なんだか素敵・・・・お茶でも出来るのかしら・・・・)
エントランスを歩いてゆくとやがて入り口でこんな黒板を目にする。

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「こんにちは。お邪魔します。」

とてもセンスの良い広い店内には所狭しと沢山の食器や調理器具が並べられている。
ポツンと椅子に腰かけていた御主人が穏やかな口調で「どうぞ・・・御覧ください」と言う。


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和菓子を作る為の精巧な古い木型・アンティークな酒器・赤い漆塗りのお膳・溜息の出る様な骨董品の和の器が並んでいるかと思えばヨーロッパの古いピクニックセットも・・・・
銀製品のフォークやスプーン類にホウロウの水差し・小花の愛らしい洋食器・素敵な彫刻の硝子器にグラス・・・

ケーキを作る型も沢山ある。
それらのどんな食器や道具にも小さくプライスが付いていた。


「よろしかったら2階も御案内しますよ」と御主人。
この家は木と何とも言えない温かな雰囲気の壁でつくられていた。

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階段を上ると一見、屋根裏部屋の様な作りだけど寝室やトイレなどがあり、回廊を回るように進むと別の空間が広がる。

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「妻がここで御菓子教室をしていたんです。」


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「この流しはね、シンク(ホウロウなのか陶器なのか)と蛇口だけ先に探して・・・・それから特注で木製のコレをこさえてもらったですが70数万円かかりました。妻のこだわりだったんでね。」
素敵な作りだった。

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「このストーブも今でもちゃんと使えます。ヨーロッパでは今も同じ型が普通にあるようです。」


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パイン材のキャビネットもヨーロッパの田舎の台所にありそうな物で、年月をかけて良い味わいを醸し出している。流しもキャビネットもありとあらゆるものにプライスが付いていた。


反対側を回ると読書コーナーに出る。

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料理研究家の蔵書がズラリと並んでいた。


「片づけていると奥から次々と洋書が出てくるんですよ。1冊1万円台の本もあってね・・・・
妻は勉強家でした。イタリアのエナルク・スイスのリッヒモントなどで修業してたんです。」
料理の書籍は色々な国々の背表紙が並びあらゆるジャンルの料理を学んだ凄い方だったのだと改めて知る。


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この椅子がとてもいい。
しかし、値段は決して安くはなかった。
この店にある全ての物には奥様の想い出がぎっしり詰まっている。

料理研究家・久松育子さんがこだわり抜いて集めた道具や食器の数々に家具。その一つ、一つに安い値段はつけられないのだろう。


誰かが気に入って買って下さればそれが何処かで再び命をもって活かされてゆく。

だからこそ「もっと安くなりません?」なんて想い出を値切ることなど出来ない。


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床材のテラコッタや緑色の屋外用の丸テーブル(後に買う彼女の本に出てくる)素敵!


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木製のドアもそれぞれの部屋毎にこだわりを持って特注された事だろう。




そして唯一、私が買った本
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「あづみのの食卓」での記事はもう少し、続きがあります。
ここで一度皆様にお断りしておきたいのは館内、及び商品の撮影は禁止だと言う事です。


御主人のお気持ちは実は複雑。
いつまでも最愛の妻の想い出と一緒に過ごしたいのが本心なのです。

しかしながら現実はお店の再開も無く、諸般の事情もあってここを手放す覚悟です。

あまり人知れずに・・・片づけながら想い出を売っている御主人を見ていて微力ながらも一人でも多くの方にここを知って頂けたらと願い出ました。
こうして撮影許可を頂き、木馬館便りに掲載致しました。


そして帰宅後に一気にインターネットでここでの情報を検索して分かった事。
多くの「あづみのの食卓」ファン達がお店の再開を待ち望んでいました。

またある方のブログによると、ここで何かを買うと必ず御主人が写真を撮ってその思い出を自分に残しているんだそうです。
本当にここは「思い出を売るお店」だったのです。

あづみのの食卓
長野県南安曇野郡穂高町有明3089
0263-83-6797

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Comments

夢でした
久松さんお亡くなりになったのですか。知りませんでした。合掌。
あずみのの食卓は、もう10数年前から行きたいところでした。
信州の爽やかな風に吹かれると、低血圧も腸炎もその日に治ってしまいます。
中でも、「あずみのの食卓」は、あずみのの自然から得た素材を、料理研究家の久松さんが大切に調理されている所でした。
そう、私は旅行雑誌で知りいつか行きたいと思っていたところです。
その頃は、ペーパードライバーで、とても一人で行くこと等考えられず、(今なら行っちゃう。)お金もあまりなく、いつか行こうと思っていた場所でした。
このブログに出てくるとは!時間がタイムスリップしたかのようです。
(マコ先生やはりどこかでつながってるね。)
私も再開を望む1人ですが、久松様がいらっしゃらないのであれば、再開してもあずみのの家ではなくなりますね。
時は流れ、永遠の空間など無い。そう感じました。
Posted at 2011.08.16 (19:24) by まお (URL) | [編集]
そうでしたか・・・・
まおさんはずっと御存知の場所だったのですね。
この家を偶然にも訪ねて手にした「あづみのの食卓12カ月」

今、この本を読んで何ともいい難い思いに駆られています。

ずっと私が憧れてきた事なんだと・・・・
食べる事は生きる事。

今は使われていないテラスに出てみたんです。


素晴らしい風景が広がっていました。

しかし・・・下を見るとかつてのハーブ畑も家庭菜園も夏草ぼーぼーで隣のキジなどを育てている農家が鳥小屋をどんどん増やして境界線を飛び越えている現状。
畑も庭も手入れする主が居なくなれば荒れ放題です。
家だって同じ。

私・・・・くまなく全てを拝見してきたので「最後にこの家も売ります」というあまり目立たない張り紙に釘付けになりました。


宝くじが当たればあそこが私の終の棲家です。

Posted at 2011.08.16 (20:38) by mako (URL) | [編集]
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プロフィール

mako

Author:mako
その昔、木馬館というCafeをやっていました。

天然石ビーズのお店でジュエリースクール講師を務めてからその後独立。日夜「大人の女性の為のアクセサリー作り」を考えて暮らしてます。
家族は宇宙人の哲爺。

「ねむの木のテラスから」こちらはアクセサリー発信のお教室ブログです。
どうぞ遊びにいらしてくださいね。

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